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介護報酬改定で注目のアウトカム評価とは?

そもそも介護報酬とは、介護サービスを提供する介護事業者に対して送られる報酬のことです。
報酬額は各介護事業所で提供している介護サービスの種類やサービス内容、利用者の要介護度、介護事業所の所在地などをもとに法律で細かく決められています。
ただし増減することもあり、これまで介護事業者に対する介護報酬の増減は、利用者の認定度合いに応じて決まる体系が取られてきました。
しかし、これは裏を返せば、利用者の認定度が上がれば介護事業者の報酬も上がる、ということを意味します。
つまり、提供される介護サービスのクオリティとは連動しない報酬体系であるため、介護業界が利益を追求しようとすると、利用者の自立支援には繋がりにくくなり、ますます重度化を進行させることにもなりかねないということになります。

そこで2018年度の介護報酬改定では、利用者の自立支援と重度化防止を重視する姿勢を打ち出し、これに貢献した介護事業者へは加算報酬の形で評価していく仕組みになりました。
そして、その切り札とも言えるのが、「アウトカム評価」の導入です。
これは、利用者の自立支援や重度化防止に向けて、介護事業者がどれだけ貢献したのか、その成果を指標化するものです。
この指標化をするにあたっては、食事や排泄といったADL(日常生活動作)の維持や向上を測るための指標である、「Barthel Index(バーセルインデックス)」を利用します。
そして、食事や排泄あるいはベッドから車椅子への移動など、10項目を5点刻みで点数化した上で、その事業所でのADLの状態を評価するのです。

この「アウトカム評価」を導入することにより、インセンティブを与えられる介護事業者はADLレベルの向上に努めるようになり、結果的に利用者への自立支援の促進と重度化の防止へ繋げたいという、評価を得られます。

そのため、今後の介護サービスの内容は従来に比べて大きく変化することが予想されるので、介護士は介護報酬の改定内容の詳細を理解し、今後の業界の動向に柔軟に対応していかなければなりません。

by c4qzq | 2020-03-03 02:09